全部準新作で2泊3日、1日2本、EQ2のヌルい用事を片付けながら視聴したので吹き替えメインで見た。
見た順感想。
全体的に中途半端な印象であった気がするのは、主にゲームやりながら見ていたせいかもしれないと前置きしておく。
・Mrインクレディブル
今度公開されるアメコミ実写ファンタスティックフォーが元ネタだと言うピクサーアニメ。
吹き替えにて。まぁまぁ。面白いといえば面白いけど大絶賛! と言うほどではない。
一番感心したのが服のシワ描写だった。動くたびにシワシワ。ちょっとやりすぎな感じはするが質感が凄い。
お話の方はアレだなー。なんか中途半端なんだ。どれも。
元ヒーローが迫害される、命を懸けて闘っても報われない、という所は俺かなり弱いポイントなんだけど、スパイダーマン2の悲惨さが記憶に新しく、こっちがギャグ調なのもあってそこまで酷いって感じではなかった。同情には値するけど。
そして悪役がショボい上にちょっとかわいそうな身の上であったりもして。同情は出来ないこ憎たらしい男なのに、憎みきれもしないという中途半端さ。あと宮迫の喋りが特徴的すぎ(笑)。つい顔が思い浮かんでしまう。悪役の髪の質感(逆立った髪がユラユラしてる)は良かった。
全体的なストーリーも何か、不満点はないけど、意外性とかワクワク感があるわけではなく。お約束的で単調というのか。
時々妙に生臭かったりするんだけど(主人公一家が崩壊しかけていたり。特にママの辛さが良くわかる)、描写はあくまでサラっとしていて、コメディ部分と中和されている。この辺は好みの問題かもしれないが、俺はスパイダーマン2のメリハリの効いた演出が好きだったな。笑える部分と悲惨な部分の緩急が激しいのに無理がなかった。こっちはちょっと融合してて、中間点をユラユラしてる感じの緩い波線。
いや、悪くはなかったけどな。凡作。
デザイナーのおばちゃんが一番好きだった。
主人公(パパ)の喋り方がちょっと棒読み系だったのが気になった。
・約三十の嘘
まぁまぁ。フツー。
邦画。主演は椎名きっぺーと、中谷美紀?(人の名前覚えるの苦手なんですよ)。
昔つるんで仕事をしていた何人かの詐欺師が再び一緒に仕事をすることになったが、仕事を終えた後に、売上げが消えてしまう。これは3年前、このグループが解散することになったのと同じ状態。いったい誰が盗んだのか? と言う話。
まず、こう、詐欺師という設定が上滑りと言うのか、生かせていない気がした。安っぽいヒューマンドラマっつーの。
「全員が詐欺師」「仲間だけど詐欺師だから信用できない」そんなピリピリした雰囲気がない。てか、そもそもが前回同じように金を盗まれて解散しているグループなんで、最初から険悪な、あるいは気まずい雰囲気があって、「もしかしたらコイツは嘘をついているんじゃないか?」という仲間を疑う葛藤が切実でない。時々出てくる「自分達は何処か欠けているんだ」という台詞に重みがない。これが初回の裏切りだったらまだ良かったと思う。
ゴチャゴチャとくだらない言い争い(痴話喧嘩!)をして、種が明かされて、仲直りしたりしなかったり、という感じ。ネタ晴らしの理由も可愛いと言えば可愛いんだが、「なんだかなぁ」みたいな。「えー、そんな話だったの?」という。
電車内部だけの密室劇なんだけど、全体的に「まとまっている」というよりちっぽけな感じ。生臭いとか人間臭いと言うよりチンケ。
つか全員揃った時点で、最終的に誰が金を持っていくか丸判りなのってどうなのか。いや、単にお約束としてこうだろうな、と思っただけなんだけどさ。
本格的ミステリーってより、9時~10時台のドラマを見る感じで見た方が良いと思う。ヌルさとかまさにそんな感じ。
・オーシャンズ12
吹き替え。
イマイチ、かなぁ。内輪ネタというか。作ってる人たちは楽しそうだったけども。
印象的なシーンとかが全くないんだよね。キャサリンゼタジョーンズかわいいな、くらいか。やられまくる話だからプロフェッショナルっぽい格好よさも殆ど発揮されないし。ブベー。最後で「実はこうでした!」って言われても、驚きとか爽快感より、気落ちやしらけた気分の方が大きかった。
後これ、最初吹き替えで見てたら中国人の人だけ中国語のままで、それがネタなのかミスなのかわからんかったから日本語字幕つけてみたんだけど、この字幕が時々バグるのな。どうなんだ。俺のマシンが悪いんだろうか。
・クライシスオブアメリカ
普通。なんかこう、B級っぽいノリ。
吹き替え。主演のデンゼルワシントンの声がジョージクルーニーと同じでまず違和感があった(笑)。
お話は、湾岸戦争の英雄がアメリカ副大統領に立候補するんだけど、同じ部隊にいた上官のデンゼルワシントンとかが考えるにその経歴(偵察しに行ったら奇襲を受けて、その候補者が部隊を救った)がどうも怪しい、と思った所から明らかになる陰謀劇。
その原因が洗脳とかだったりするからイマイチB級臭い。暴かれた真実も「練りこまれた秀逸な脚本!」というわけではなく、単なる事実(設定)の露呈で、特別面白みがねぇ。てか早い段階で何かがおかしいってのはわかっちゃうから、後気になるのは結末がどうなるか、だけなんだよね。それもあんまり大したことない。
んー。候補者のお母さんが怖くてよかった。それくらい。
・Ray
良かった。けど映画自体が面白かったと言うより、歌が。
これは字幕で見た。あとで吹き替えをダラダラかけてみたけど、やっぱ字幕のがいいな。主役の声に違和感がある。
レイ・チャールズの半生を描いた映画。レイ役の人はこれでアカデミー賞もらったんだっけな?
お話の方もソコソコ面白かったんだけど、実話だけにドラマティックなオチがつくわけじゃないんだよな。いや、充分にドラマティックな人生ではあるんだけど、こう、今まで世話になった人をスパッと(およそ恩知らずに)切る。切った寂しさがその後の展開で解消されないのが残念。
歌はどれも良かった。思わずiTunesMSでアルバム買おうと思ったら、あまり良いのがなかった。残念。アンチェイン・マイ・ハートとか好きだ。レイチャールズと知らんかった。
映画のサントラ買ったほうが早そうだ。
・マイボディガード
まぁまぁ。面白かったが微妙でもあった。吹き替えで。5本の中で一番吹き替えがしっくりしてた。
これもデンゼルワシントン主役なんだけど、やはりB級臭かった。ちなみに声は大塚さん(好きだ)。
元プロの暗殺者で、心を病んでドロップアウトした主人公が、ボディガードとして雇われた先の女の子と触れ合ううちに人間性を取り戻し(ここまで前半)、その女の子が浚われた事で復讐に走る(後半)。という話。
元凄腕の暗殺者ですよ。ここがなんかB級臭い。ボーンアイデンティティも設定的にはそうだったけど、なんとかリアルに見せようとしていた。けどこっちにはそれがない。それどころか「元凄腕」的描写もないのがとても残念。ボーンシリーズみたいな、思わず「カッコイイ!」と言いたくなる機転の利いた行動とか、小気味良いアクションとかがねーのな。暗殺者らしい冷血な復讐方法というのはあるんだけど、それもちょっと取ってつけたようでツメが甘い。
ただ、この話はひたすら暗く重苦しい話であるから、「格好良い!」と興奮する必要はないんだと思う。もっと悲痛であるべきで、高揚しないほうがいいんだろう。
が、だとすると「凄腕の暗殺者」という設定が浮く。その後の復讐劇の下地として必要なのはわかるけど、もうちょっとしっくりさせて欲しかった。
あとダコタに屈するのが早すぎねーか。俺がよそ見してたのかもしれないが、「俺はボディーガードで友達じゃない」と言った次のシーン(水泳)でコロっと仲良くしてなかったっけ。ハラハラするシーンでもあったのかな。
そして極めつけ。デンゼルワシントンに似合ってねぇ。俺の先入観なのか、トレーニング・デイの時も思ったんだけど、あの大きなキラキラした目がどうにも善人に見えて仕方ないわけですよ。ドロップアウトした暗殺者に見えねぇ! ジョンQみたいな役どころ(息子思いのお父さん)がハマり過ぎでなぁ。
好きなシーンは「笑ったでしょ」と「お前等にそんな資格はない!」の所。
ちなみにダコタがさらわれるシーンで思わず見入ったらEQ2(クエやってて移動中だった)で自キャラが死んだわい。まぁいいや、と放置してみてた。ウェハハ。
面白かった順に並べると。
マイボディーガード>Ray>インクレディブル=クライシス>約三十=オーシャンズ
って感じかなー。