« グリーンカレーの代償 | メイン | 限度額 »

迂闊記

朝起きた。ダルかった。あー休みてぇなでも今日やることあるしなー、まずアレを終わらせてアレに着手して……とか考えながら部屋を出た。

俺は築30年のボロアパートに住んでいる。大地震がきたら真っ先に潰れそうで不安だが、6畳2Kで家賃は月5万円、ペット自由、階下は店舗なので騒音で迷惑をかける心配もあまりないという好条件だ(ただし駅までバス通勤)。
いかにもアパート的な錆びた鉄階段を下り、自転車に手をかけて俺ははたと立ち止まった。

カギ忘れた。

俺の住むアパートのカギは内側からボタンを押して閉じることで鍵がかかる仕組みのアレで、鍵を持たずともかけて出ることが可能であり、引っ越し当初は何度も鍵を持たずに部屋を出て不動産屋に鍵を借りに行ったものだった。
さすがに4年も住めば慣れて家を出る時は必ず鍵の確認をするようになったが、久しぶりにやってしまった。ていうか他の部屋の住人は平気なのかこれ。
まぁ契約の更新もしなければいけないし、ついでに不動産屋に行くか。仕事は午後からにしよう。電話をかけねば。

自転車にのって家のすぐ裏手にあるコンビニに向かう。PHSの充電はここ数カ月していない。
公衆電話の前で確かめると小銭がなかった。コンビニで1000円のテレカを買った。
まずは不動産屋に電話をかける。いつもは直接借りに行くが、今日はついでに契約更新もするので先に向こうの都合を確認しなければいけない。現在9時、10時開店ということもありえるし。
数回のコール音の後、機械的な音声が答えた。

「本日は定休日です」

マジで。

仕方ない。こうなったらカギ屋だ。仕事は休みだ。会社に電話を入れ、近所のマックに移動。Zaurusでカギ屋を探す。モバイルおよびインターネットは便利だ。
たくさんあるカギ屋の中から大手っぽく近場で安そうな所を選択。電話をかけてみると出張費込みで8000~12000円(カギの種類による)と言われた。まぁ他の所もその程度だった。
急ぐかというので、今日中に開けてもらえれば良いと答える。1時頃に折り返し電話をかけることになった。「携帯電話など連絡手段はお持ちですか?」という問いにNOで答えた時には一瞬気まずい沈黙がたちこめたが、「いや別に今時携帯持ってないわけじゃなくてたまたまバッテリーが切れてるだけなんですよ」等と見苦しい言い訳はしないでおいた。そもそも「たまたま」じゃねぇし。むしろおおむね切れている。

しかし10時だ。3時間何をして時間を潰すべきか。他のカギ屋を探して値段と対応時間を調べてみるべきか。あるいはやはり夜に来てもらうことにして出社するか。
とりあえずクソ寒い。おまけに雨が降っている。コンビニに入って立ち読みをした。バガボンドと蒼天航路を読んで暖まり、CDでお金を下ろした。明日万が一NDSLを買えた時のために多めに下ろした。
そしてこれからの予定も決まった。今から会社に出てもせいぜい3時間程度で帰ってくることになる。今日は秋葉原に行ってD&Dのルールブックを買おう。この間買おうと思って公式サイトの取り扱い店舗に行ってみた所置いていなかったのだ。行って帰って来ればちょうど良い時間だろう。

バスに乗り、駅へ向かう。伝え忘れていたことを思い出して再び会社に電話をかけようとまずは公衆電話へ。
財布から買ったばかりのテレカを取り出し、
……テレカを、

あれ? テレカどこいった??

俺が俺でなく他の誰か、例えば俺の嫁なんかであった日には「もうあなたには付き合いきれないわ」等と宣う場面だが、あいにく俺はもう28年間も俺を勤めており、またこの先死ぬまで俺である。この程度のことで呆れてはいられない。
ひとまず電車に乗った。電車の中で財布やカバンやポケットなどを念入りにあらためたが、やはりテレカはなかった。
良くあることだ。気にするな俺。ドンマイ。

そして秋葉原に到着。4件の店をたらい回しにされ、途中うっかり散在しつつ覚えたことは「秋葉原のオタクショップの開店時間は12時が基本」であることと、「ホームページを過信してはならない」事だ。
やはりホビージャパンのサイトを頼りに訪れた店舗は1:開店前、2:品揃え変更(フィギュア)、3:開店前かつ品揃え変更(カード)、3の店で教えてもらった同店テーブルゲーム取り扱い店舗でようやくルールブックを手にした。
書泉に行けば良いことは判っていたが、あそこは本が多すぎてつい散在してしまうからあまり行きたくないのだ。といいつつ3の店の開店を待つ間に入った店でマイクつきヘッドホンを購入してしまったが、書泉でBLマンガなどを購入して傷心するよりは良い。

そういうわけでD&Dルールブックは入手した。会社に電話もかけた(小銭で)。
昼飯を食いたかったがもう帰らねばならない時間だ。再び電車とバスを乗り継ぎ、地元へ。公衆電話の元へ。

念のためさっき使った公衆電話の元に向かうと、テレホンカードは健在であった。電話の横のゴミ箱の上に鎮座されていた。そういえばそこに置いたような気もする。
この寒風吹きすさぶ天候の中、3時間も良くぞご無事で。

早速テレカを挿入し、再度鍵屋に電話。1時間後に現地集合となった。
レンタルビデオ屋でハウル、電車男、サハラ、タイトル忘れたアクションサスペンスの4本を借り、スーパーで買い物をした後に帰宅すると既に鍵屋が来ていた。30台くらいの普通のお兄さんだ。
身分を確認してもらった後、早速鍵を開けてもらう。お兄さんは小さなポーチから黒い針金状のものと、ドライバー状のものを取り出すと鍵穴をガチャガチャしはじめたというか10秒くらいでガコッと音がして鍵が開いた。
およそ予想はしていたがそれにしても早すぎる。

「これ大家さんに言って変えてもらったほうが良いですよ。こんなふうに簡単に開きますから」
「あー、やっぱりそうですか」

等と軽く会話をして7350円を支払い、午後2時45分、俺は再び自宅に足を踏み入れることが出来た。
そしてカレーを作って食って昼寝してDVDを見て風呂入って寝た。

こうして、無駄に雨の中をさすらう俺の一日は終わりを告げた。
防犯以前に日常生活に影響のありすぎる例の鍵は早急に変えたく思う。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.jeha.org/mt3/mt-tb.cgi/210

コメント (2)

H:

傍から見るとなんちゅうドラマティックな1日なんだ。
ユーは意外と癒し系だヨね。

jeha:

それはマヌケってことかぁっぁぁ!
まぁわりとマヌケです。

コメントを投稿

About

2006年03月02日 15:59に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「グリーンカレーの代償」です。

次の投稿は「限度額」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。