上陸しそうでしなかった台風も去り、夏らしい青空が広がった東京。
今日も元気に家を出てバス停に向かうと、俺がバス停に着いたタイミングで列を離れたおばあさんがいた。
バス停横のイスに座るのかと思えばそうでもなく、日陰を求めて移動したふうでもない。もちろんどこかに行く様子もない。何だろう? とぼんやり考えていた俺の目の前を白いものが掠めた。
日傘のおばさんがなぜかバタバタと地団駄踏んでいる。何だ? と思った矢先にもう一つ──いや、もう1匹。
毛虫が。
たくさんの毛虫が目の前を通り過ぎて行きます。
バス停の横にある2本の木から、数秒に1~3匹くらいの勢いで体長3センチ程の毛虫が降り注いでくるんですが。
何コレ。
最初は2本の木の間で粘っていたが、風に乗って攻め込まれたり、落ちた毛虫にのじよぼられそうになったりするので退避。
こんな時に限ってバスは遅れ、そして無情にも毛虫地帯のド真ん中に停留。
乗るまでに3匹の毛虫が目前を通り、うち1匹が頬に当たりました。
こんなに恐ろしい目に遭ったのは生まれて初めてだ。