7月31日16時5分、羽田空港に到着する猫様のお迎えに関してブリーダー様と交わした会話(メール)はこんな感じ。
ブ「空港でのお迎えがはじめての場合はお教えしますので大丈夫です」
俺「はじめてなので教えてください」
ブ「空港の貨物ターミナル内のANAの所に行き、便名と内容物(猫)を伝えれば受け取れます。乗客を下ろしてから荷下ろしをするので、受け取りは30分くらい後になります」
いや、ほんとにこんな感じで。俺は「あー。パッと空港行ってモリっともらって帰ってこれるんだなー」と思ってしまったのだった。
で、下調べも何もせず当日やや遅れ気味に空港へ。空港についてフと上を見ると「羽田空港旅客ターミナル」とか書いてあるじゃないですか。それはすなわち普段「羽田空港」と呼んでいるところは正しくは国内線旅客ターミナルであり、要するに貨物ターミナルってのは他の建物であろうということ。
なんだか厭な予感がした。俺は何故事前下調べを全くしてこなかったのだ。と一瞬後悔する。この時16時15分。既に飛行機は到着している。
近くの空港内地図を見ても、やはり貨物ターミナルとか貨物受取所とかいう単語はナシ。それどころか国際線ターミナルへのアクセス方法はあっても貨物ターミナルへの行き方は書いていない。
仕方ないので視界にあったJRとかのチケット手配をするカウンターのお姉さんに聞いてみる。
俺「貨物ターミナルに行きたいんですが」
姉「はい、1階到着ロビーの13番のバス停からバスが出ていますよ。そこの階段を上ると1階です」
おお、お姉さんありがとう。
早速バス停方面へ。行ってみるとバスのチケット販売機があるが、13番の空港内循環バスの名前がない。
国際線へのバスは無料のようだが貨物ターミナルはどうなのか。また近くのお姉さんに聞いてみる。
俺「貨物ターミナルに行きたいんですが」
姉「はい。そちらの13番のバスになります」
俺「えーと、無料なんですか?」
姉「いえ、100円になります」
俺「ああ、中で払うんですか?」
姉「はい」
お姉さんありがとうございます。
っていうかどっかに書いておけよな! と思いつつ御礼を言って外に出て、丁度来ていたバスに乗り込む。バスは「空港→貨物地区→警察署前→空港」と巡回しているらしい。
なるほど。貨物地区で降りれば良いのだな。楽勝楽勝。
と思っていたら何か、「次は、貨物西」とかいいやがるわけですよ。ということはアレか。東もあるのか。その東西の違いはどこにあるのか。俺はどちらで降りれば良いのか。
当然バスの運ちゃんに聞くわけだ。
俺「すみません。貨物ターミナルに行きたいんですが、どこで下りれば良いんでしょうか?」
運「えーっと、すみません僕まだここに来たばかりでちょっと…。地図とかありますか?」
俺「いえ、ないんですが…。ANAなんですけど」
運「あー。ANAなら多分西だと思います。……あ、あそこにANAXってあるから、あれかもしれません」
そんな感じで。とりあえず次のバス停で降り、坂を上って橋を渡り、ANAXとある建物を目指す。途中貨物東のバス停があり「西じゃねーのかよ! このクソ暑いのに無駄に走らせやがって!」と思いつつANAXへ。
しかしそこはどう見ても倉庫。警備員のおっちゃんに聞いてみる。
俺「あの、貨物受け取りに来たんですけど……ここですか?」
警「いやー、ここは違うよ。ここから120メートルくらい行ったところにゲートがあるから、そこで聞いてみてください」
おじさんの指差した方向は今正に俺が通ってきた橋の方向。
このクソ暑い(略
仕方ないので戻る。つかそろそろ16:30を過ぎ、いくらなんでも猫様が届いている時間。急がねば! 俺は走り、そしてちょっと仰々しいゲートに到着した。
再び警備員の人に尋ねる。
俺「あの、貨物受け取りに来たんですけど、ここでしょうか?」
警「えーと、どこの会社?」
俺「ANAなんですけど」
警「あー、動物かなんか?」
俺「はい」
警「じゃあ向こう側になりますね」
とおじさんが指差した先は橋の向こう、さっき正に俺が降りたバス停の方向。
このkじぇrgはうおいrhわjる!!!!
汗だくになりながら走り、貨物地区西ゲートへ。つかなんか「許可無く立ち入ることはできません」とか書いてあり、身分証明書の提示を求められる。幸い財布の中に保険証が入っていたから良いようなものの、手ぶらで来ていたらどうなっていたのか。
保険証を提示し、名簿に記帳して、通行証をもらい中へ。
またもやコンテナの立ち並ぶ倉庫みたいな光景に、本当にココで良いのかと右往左往して(正確には左に行って右に戻った)漸く受付窓口を発見。今度こそ間違いない模様。僕はもう疲れましたよ。
受付にいるお姉さんに声をかける。
俺「荷物を受け取りに来たんですが」
姉「はい。お名前と便名をお願いします」
俺「雨宮です。30便で」
姉「ええと…荷物は何になりますか?」
俺「猫です」
姉「……うーん。30便に猫ちゃんの搭載はないですね」
え゛?!
俺「えーと、大阪から16時5分着の便ですよね?」
姉「はい。ありませんね」
俺「遅れたりは……?」
姉「いえ、予定通り到着しています。本当に30便ですか?」
俺「そう聞いているんですけど……ちょっと聞いてみます」
そういやここにくるまでに3回くらいブリーダーさんから電話があった。
俺はトイレに入ったり電車でうたた寝してたりして取れず、かけなおしても出なかったのでそのまま来てしまったが、これか!
と思いつつ携帯を手に取ったらおねえさんが「あ、32便にありますね」と。
17時5分着の便だそうで、丁度時刻は17時。「到着後30分ほどかかりますので暫くお待ち下さい」と言われて一休み。トイレで汗をぬぐったり自販機でお茶を買って水分補給したりする。
椅子に座ってザウルスを弄っていたら30前後の兄さんが「いや、予定してた人間がちょっとこれなくて…。クソッ、腹立つなぁ。……いえ、なんとかしますよ。いざとなったら首かけてでも」とか電話してて「あんたも大変だな」とか思いつつ。
17時20分頃猫様が到着し、再び保険証を提示して受け取って貨物地区を出てバスに乗り、空港を後にした。
ちなみに俺と時を同じくして同じバスケットに入った猫を受け取っている家族連れがいた。多分兄弟猫だろう。向こうは車で来ていて羨ましい限りだった。
その後は何事も無く、また電車で寝ていたらブリーダーさんから電話があったりして(途中で事故があって遅れたらしい)、家に到着。道中猫様は殆ど身動きせず、一声も出さず。ビビッてんのか大人しいのか。
家に着いて蓋を開けてもつついても硬直したまま。
こんな入れ物に入っていた。小さい。
こりゃービビッてんだろうと放置してメシを作っていたら20分くらいして漸くバスケットから出てきて、そのままパソコン机の下に入った。
収納式のキーボード受けの下から暫く犬を伺っていたものの、吠えられてファイルボックスの隙間に頭を突っ込み、尻だけ出している状態で数分。
(ちなみに犬もサークルの中でビビっており、猫が動くとサークルの反対側まで超速で後退りしていた)
メシができたので覗いてみた。
何やってんスか。
なんか動けないっぽいのでファイルボックスを少し動かしてやったら奥に行ってしまった。
その後数時間経っても出てこず、付近にメシを置いても食べない。
そのまま寝ようかとも思ったが、机の裏はコンセントとかたくさんあって小便でもひっかけたら危なそうなので、無理やり引きずり出して猫ハウスに突っ込み、出口前にメシと水を置いて就寝した。
起きたら何処に居るやら。